みなさんこんにちは。今回は今までの記録の記事です。
京急の長い歴史の中で、「快速」という種別が設定されたことは、品川〜泉岳寺を除いて一度もありません。一方、快速の表示を出す機会はあります。そう、品川から先の都営浅草線・京成線です。
普段は東京と三浦半島を結ぶ京急の車両が、船橋や津田沼、成田といった千葉県内を走る姿は、「快速」ならではのものです。
京成本線に入らず、押上線だけを走る列車もあるのですが、今回は「2015年以降の京成本線を走る京急車の快速」にフィーチャーし、歴史を探っていこうかと思います。それではどうぞ。
京成本線を走る京急車の歴史と、快速復活まで
まずは、京成本線を走る京急車の歴史から振り返っていきます。

写真は2018年に復活運転したものです
初めて京成本線に京急車が乗り入れたのは、1969年の大晦日に運転された「招運号」です。三浦海岸〜成田を直通する列車が2往復設定されました。その後、1970年5月から1978年1月まで三浦海岸/三崎口(開業後)〜成田を結ぶ「城ヶ島マリンパーク号」(三浦海岸/三崎口行き)、「成田山号」(成田行き)が運行されました。特筆すべきは京急だけでなく、京成の車両も用いられた点で、「京成の車両が京急を走る」という当時では珍しい姿が見られました。
その後1998年に羽田空港〜成田空港を結ぶ「エアポート快特」が誕生。日常的に京急車が高砂以東の京成本線を走る姿が見れるようになりました。当時は運用の都合で上野まで行っていたようですが、当時生まれておらず見たことのない私は信じられません(笑)。
2002年、京成のダイヤ改正により、従来の準優等種別の「急行」に代わり「快速」が登場し、都営浅草線〜京成本線の直通列車のメイン種別となります。あいにく写真はありませんが、「エアポート快速」なる種別が誕生したのもこの頃です。
2010年の「成田スカイアクセス線」開業により、京急車の高砂以東の乗り入れは新設されたスカイアクセス線経由の「アクセス特急」に移行し、しばらくは京成本線を営業列車で走ることはなくなってしまいましたが、2015年のダイヤ改正で京成本線経由の快速が復活。以後、10年以上に渡り運用や時間を変え、残り続けています。
京成本線を走る京急車の快速の使用車両
現在では8両の京急車が分け隔てなく快速として走っていますが、長らく快速として走れる車両(即ち京成本線・スカイアクセス線を走れる車両)は限られており、

に限定されていました。理由は京成線内で用いる「停車駅予報装置」で、これ以外の車両には搭載されておらず、使用されませんでした。
ただし、ダイヤ乱れなどの代走でそれ以外の車両が乗り入れる機会自体はありました。

撮影技術がまだ伴っておらず、ブレっブレの写真であることをお詫び申し上げます…(今も大概上手くないけど)
例えば、2017年2月23日は、朝の京急線内の遅延のために1025編成による代走が行われていました。


運用の情報出典:運用調査 転載部分は再転載可・権利主張なし
これはダイヤの乱れにより、「運転整理を行い、運用がズレて代走になった」ということのようです。当時は朝遅れるとこのような代走が起きることがありました。
ですが、2018年7月20日に状態は一変します。
ダイヤの乱れも起きずに、1057編成「KEIKYU YELLOW HAPPY TRAIN」が快速に充当されました。
デジタル無線化に伴うSRアンテナ取り付け工事と並行して、新1000形10次車以降に搭載されていた「車上情報管理表示装置」の取り付けが従来車にも進められ、この装置には停車駅予報装置も組み込まれました。
結果、京成本線・スカイアクセス線を走る車両の制約がこの日からなくなったのです。というか初日からイエハピをぶっこむ京急にノリのよさを感じます。
2021年までは当時走っていた「ドレミファインバーター」の車両もアクセス特急や快速で走ることもありました。もはや懐かしすぎですね。
これは制約があった時代の話のなのですが、新1000形10次車以降であればいいので、8両固定編成ではなくても8両であれば運用に入ることができました。

こんな写真で申し訳ないのですが、なんせ10年前のことなのでお許しください…
ということで、新1000形1800番台も快速で走ったことがあります。2015年6月28日に1回だけ充当されました。この時期だけ8両編成を組んで浅草線直通運用で走っていて、その間に運行されたものです。これ以来浅草線直通を行わないのは、あくまで8両固定編成の不足時に代走ができるようにとのことなので、普段は必要ないのでしょうね。
2015年以降の京急車の快速の動向
この項目では、京急車の快速の運用の変遷を振り返っていこうかと思います。あくまで快速に関する話が主軸なので、細かな時刻変更や、前後の運用の変更は扱いません。
主な変化を年表にまとめると以下のようになります。
| 年度 |
変化点 |
| 2015 |
京急車の京成本線の快速 復活 |
| 2017 |
土休日にも設定 |
| 2019 |
成田空港乗り入れ 復活 |
| 2022 |
泉岳寺ローカルと運用統合 |
| 2023 |
初めての2運用設定 |
| 2025 |
運用再編・羽田空港乗り入れ |
簡単に変化点を振り返ったところで、この10年半にわたる運用の変遷を詳しく振り返ります。
運用の情報出典:運用調査
転載部分は再転載可・権利主張は致しません。
2015年12月ダイヤ改正

平日:81H
京成本線を走る京急車の快速が復活した記念すべきダイヤです。運用上は品川始発で、81Aとして品川→羽田を快特で走り、羽田空港の81Hに運用番号を変更していました。
781H特急→普通高砂で朝ラッシュ時の京急本線を上り、高砂から980H快速佐倉に変更し京成本線に入ります。

平日のダイヤ改正初日に81Hに充当されたのは608編成
佐倉~西馬込を往復後に一度宗吾に入庫し、1680H 快速三崎口行きで京急線に戻るという形になります。佐倉から三崎口を直通する列車が走ると知った時はとても驚きました。平日に関しては、大体同じ時刻に快速三崎口で京急線に戻るという形は10年ずっとそのままです。
2017年10月ダイヤ改正

平日:81H、土休日:79H
この改正で初めて土休日にも快速で走る運用が設定されました。781Hは高砂行きとして運行されていたのですが、779Hは浦賀から特急佐倉行きとして運行されていました。
1つの列車で京急本線から京成本線まで直通する列車は2015年以降で初めての設定です。
2019年10月ダイヤ改正

平日:83H、土休日:79H
日中の一部の快速が成田空港に延長されることに伴い、平日の快速で走る運用が83Hに変わりました。一度宗吾に入庫していたのが、そのまま成田空港で折り返す形に変更されています。久々の本線経由の成田空港乗り入れの復活です。

本線経由で宗吾参道へ回送するスカイアクセス車が一時期設定されていた
特筆すべきは783Hがスカイアクセス線経由で成田空港に向かい、その後佐倉まで回送して本線経由の快速に使用されることです。この運用のために、スカイアクセス車が本線経由で宗吾まで回送される運用が当時は存在していました。
なお、81Hは高砂到着後入庫し、夕方に再出庫するという形になりました。
土休日の79Hは時間は変わらないものの、夜の1978Hが押上線内普通になったことに伴い高砂行きに変更され、快速高砂行きが登場しました。
2022年2月ダイヤ改正

平日:83H、土休日:81H
快速と泉岳寺~西馬込のローカル運用が繋がったために、運用が平日・土休日ともに変更されました。

西馬込ローカルで走る1177編成
このダイヤの特徴は、佐倉10:56以降の運用が平日・土休日で共通化されたことです。三崎口から佐倉に向かい、折り返し後は西馬込→泉岳寺→西馬込→成田空港と走り、平日が三崎口行き、土休日が西馬込行きで折り返します。
平日に京急本線から京成本線に直通する列車も初登場です。また、土休日にも成田空港に乗り入れることになりました。
2023年11月ダイヤ改正

平日:83H・23H、土休日:81H・61H
この改正から2運用設定されることになりました。
平日は29Hが西馬込→成田空港→高砂を快速で走ります。この改正で2015年以降初めて京急車の快速が並ぶ機会ができました。
土休日は61Hがスカイアクセス線経由で成田空港に向かい、いったん宗吾に入庫後し、その後佐倉始発の快速高砂行きとして高砂に入庫、停泊します。
2024年11月ダイヤ改正

平日:83H・23H、土休日:81H・61H
早速土休日の61Hに変更がありました。高砂から普通→急行逗子・葉山行きになるというとんでもない列車が誕生しました。浅草線から逗子線に向かう列車は元々これしかなかったので、なおさら衝撃が大きいです。
元々高砂で一度入庫する別の運用が高砂始発でこの運用に充当されていたのですが、そちらをそのまま高砂停泊とし、こちらを逗子まで行く形にしたようです。
2025年11月ダイヤ改正


平日:75H・79H、土休日:21H79H
快速の浅草線側の発着地が羽田空港に変更されたため、運行形態に大幅な変更が行われました。スカイアクセス線開業前のダイヤみたいですね。

現行ダイヤの1374SH 折り返しは特急→快速佐倉行きになる
40分間隔で設定されている高砂~羽田空港の運用が快速に繋がったので、列車によって羽田空港で折り返す種別が変わります。というか京急車はそのタイプの運用がメイン。土休日は運用が増えた一方、平日は2往復に戻りました。
京成本線を走る京急車の快速の行き先
本項目において、特筆しない限りは日中のパターンダイヤにおける話となります。
成田空港
設定期間:2019年10月〜
一部の成田空港発着の本線特急が成田発着の快速特急に格上げされた際に登場しました。本線経由で成田空港に乗り入れるのは、スカイアクセス線開業以来の9年ぶりだったそうです。かつては午後に見られましたが、現在は午前中でも見ることができます。
成田(京成成田)
設定期間:2025年12月〜
2025年のダイヤ改正で新設されました。成田に到着後は一旦宗吾参道へと回送されます。成田行きの京急車の運用はかなり久々みたいですね。
撮影次第、写真は載せ替えせていただこうと思います。
佐倉(京成佐倉)
設定期間:2015年12月〜
2015年に再設定されて以降設定され続けている行き先です。長らく朝ラッシュの京急本線からそのまま京成本線に流れる形で見ることができました。現在は午後に見ることができます。2019年以前のダイヤにおいても、午後に佐倉行きを見ることができました。
高砂(京成高砂)
設定期間:2019年10月〜2022年2月、2023年11月〜

適当に撮りに行ったら時間が同じで被ってしまった…
手元にはこんな写真しかありませんでした、すみません…
高砂行きは高砂まで運転し、高砂から始発の普通として運行するパターンが基本です。一時期は高砂に入庫して停泊する運用もありました。
こちらも撮影次第、写真は載せ替えせていただこうと思います。
西馬込
設定期間:2015年12月〜2025年12月
成田スカイアクセス線開業以降、快速は西馬込発着となっていたため、必然と京急線に入らない西馬込発着の列車が設定されていました。
2025年のダイヤ改正で快速が羽田空港発着に変更されたため消滅し、10年の歴史に幕を閉じました。当たり前に見れる行先だったので、今でも見れないというのは信じられませんね。
羽田空港
設定期間:2025年12月〜
2025年のダイヤ改正で、浅草線側の発着が西馬込から羽田空港に変更されたことに伴い登場しました。まさかの日中の本線からの羽田空港行き、そして羽田〜成田直通列車の復活にとても驚きました。プレスには一部の列車において発着時刻や運転区間、種別等を変更しますとしか書いてなかったのに…
三崎口
設定期間:2015年12月〜
2015年以降、平日午後4時ごろから京成本線を上り、そのまま夕ラッシュの下り列車として走り続ける不動の行き先。京急側に車両を返すという都合もあるためか、走る時間は10年以上ほとんど変わっていません。
現在は佐倉始発ですが、2019年〜2025年においては成田空港始発で運転され、走行距離は141.1キロを誇りました。もちろん日本の地下鉄で最長距離の列車です(現在はスカイアクセス線経由の成田空港〜三崎口で136.6キロ)。
あとがき
個人的な備忘録として書き始めた記事でしたが、振り返ってみると京成本線を走る京急車の快速も10年半以上の歴史を持つようになりました。
2015年当時、私はまだ中学生でした。それを思うと、ずいぶん長い時間が経ったものです。ダイヤ改正当日は午前授業だったので、一度家に帰って佐倉に向かったのを覚えています。
こうした自社線内に乗り入れないイレギュラーな運用は、あまり長続きしない印象があったのですが、気付けば10年以上続く運用となりました。さらに近年は日中パターンの変化で羽田空港へ乗り入れるようになり、結果として京急線内にも足を伸ばす運用となりました。
長い間残り続けたのは、やはり距離清算の兼ね合いと、京成側にラッシュ時用の車両を置いておきたいという事情なのでしょうね。事情があるからこそ残り続けているという面もあると思います。
長続きはしていますが、これからもずっと走ってほしいなあという願いを込め、この記事の結びとさせていただきます。